心理カウンセリングとコンサルティング
カウンセリングの基になる動詞「カウンセル」(counsel)の意味は、「相談する」です。同様にコンサルティングの基になる「コンサルト」(consult)も同じく「相談する」という意味ですが、心理カウンセリングとコンサルティングでは随分と違った印象を受けます。
今回はこの心理カウンセリングとコンサルティングの違いについてみていきましょう。
コンサルティングという言葉を一般的に使う場合には、『業務または業種に関する専門知識を持って、主に企業(まれに行政など公共機関)に対して外部から客観的に現状業務を観察して現象を認識、問題点を指摘し、原因を分析し、対策案を示して企業の発展を助ける業務』を意味します。
だいたい、コンサルティングといえばビジネスシーンで使う場合がほとんどで、個人の問題解決についてはあまり使用しない傾向があるようです。
しかし、問題解決のための支援を行うという点では、カウンセリングとコンサルティングは同義語とも言えます。しかしその手法については大きく違ってきています。
心理カウンセリングは患者自身が自分の悩み、問題をカウンセラーに話すことによって自分自身が解決策を見つける支援を行います。それに対して、コンサルティングでは、クライアント(患者)自身に代わって解決策を考えることがコンサルタントの役割であり、その点ではカウンセリングやコーチングとは全く異なるものと言えます。
カウンセリング、コーチング、コンサルティングがともに「問題解決」に対する支援では一致しますが、微妙に違うのですね。
心理カウンセリングとコーチング
カウンセリングとよく似た言葉に、コーチングという言葉があります。
「コーチング?」
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、スポーツをやっていらっしゃる方は、「コーチ」と聞けばわかると思います。そう、技術や戦術、精神的なアドバイスなどもしてくれる指導者のことです。欧米では、スポーツのコーチングに加えて、ビジネスや個人の目標達成のための支援にも使われます。
心理カウンセリングも同様に、個人の問題解決のために行われる支援なのですが、両者にはどんな違いがあるのでしょうか。
まず、コーチングを簡単に説明すると「人を育てるための方法」だといえます。
スポーツであれば技能向上、ビジネスであれば営業や専門職などのスキルアップ。また、個人個人が生きていくうえで精神面での成長を促すということもコーチングといえると思います。
コーチングはモチベーションを重視し、自ら学習し育つような環境を作り出し、自ら問題を解決していけるようになることを目的としている。
手法的には心理カウンセリングもコーチングと変わりませんが、コーチングがゼロベースからのプラス方向への支援を意味するのに対して、心理カウンセリングはマイナス状態にある患者をゼロレベルへのプラス方向に支援することを意味するといえます。
心理カウンセリング、コーチングともに解決策は患者自らが主体となって考えるということでは一致していますが、患者のいるポジションの違いで区別されるともいえそうです。